厚生年金保険法 ・ 第1章 会社員と公務員をひとつにした厚生年金
1-64人の大臣が関わる理由と公務員の制度との位置づけ第100条の3の3・第100条の3の4
第百条の三の三 第四章の二及び第三項における主務大臣は、厚生労働大臣、財務大臣、総務大臣及び文部科学大臣とする。
2 この法律における主務省令は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣、財務大臣、文部科学大臣又は地方公務員等共済組合法第百四十四条の二十九第一項の規定による主務大臣の発する命令とする。(後略)
3 所管大臣は、前項第一号に掲げる主務省令を制定し、又は改廃する場合においては、あらかじめ、主務大臣に協議するものとする。
第百条の三の四 厚生年金保険は、国家公務員法第二条に規定する一般職に属する国家公務員又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条に規定する一般職に属する地方公務員については、それぞれ国家公務員法第百七条に規定する年金制度又は地方公務員法第四十三条に規定する共済制度の一部とする。
ポテ年金なんだから、担当の大臣は厚生労働大臣ひとりですよね?
ロウ先生積立金の運用などの主務大臣は、厚生労働大臣・財務大臣・総務大臣・文部科学大臣の4人です。共済のそれぞれの所管の大臣が加わっています。
ポテ4人で1つのお弁当をつつく感じか……おかずの取り合いにならない?
ロウ先生だからこそ、積立金の基本的な指針を4人で定めるのです。
一元化のあとも、公務員や私学教職員の年金の事務は、それぞれの共済組合などが続けています(1-5)。その共済組合を監督している大臣は、厚生労働大臣とは別にいます。そこで、厚生年金の一部の場面では、関係する大臣がそろって「主務大臣」になるしくみが置かれています。
主務大臣は4人
| 大臣 | つながりのある種別・組織 |
|---|---|
| 厚生労働大臣 | 第1号厚生年金被保険者(会社員など)の実施機関 |
| 財務大臣 | 国家公務員共済組合(第2号) |
| 総務大臣 | 地方公務員共済組合(第3号) |
| 文部科学大臣 | 日本私立学校振興・共済事業団(第4号) |
条文の言葉では、4人が主務大臣になるのは「第四章の二(積立金の運用)」と同じ条の第3項の場面です。たとえば、積立金を長い目で安全かつ効率的に運用するための積立金基本指針は、主務大臣が定めます(第79条の4。14-7)。
主務省令
法律の細かい手続を定める「主務省令」は、政令の定めに従って、厚生労働大臣・財務大臣・文部科学大臣の命令、または地方公務員等共済組合法の主務大臣の命令として出されます。
公務員の制度との位置づけ(第100条の3の4)
国家公務員法と地方公務員法には、もともと公務員の退職後などに備える年金制度・共済制度を設けるという規定があります。一元化で公務員も厚生年金に入ったため、一般職の公務員については、厚生年金保険がその年金制度・共済制度の一部になると定めました。
- 一般職の国家公務員 → 国家公務員法第107条の年金制度の一部
- 一般職の地方公務員 → 地方公務員法第43条の共済制度の一部
具体例で考える
年金の積立金は、会社員の分は年金積立金管理運用独立行政法人が、公務員や私学教職員の分は各共済の側で運用しています。運用の方針がばらばらだと、同じ厚生年金なのに運用の考え方が違うことになってしまいます。そこで4人の主務大臣が共通の積立金基本指針を作り、それぞれの運用をそろえるわけです。
ポイント4人の顔ぶれは「会社員・国家公務員・地方公務員・私学」の4つの種別を思い浮かべれば自然に出てきます。それぞれの組織を所管する大臣です。
ひっかけ注意主務大臣に「人事院総裁」「内閣総理大臣」を含める選択肢や、「厚生労働大臣及び財務大臣の2人」とする選択肢は誤りです。厚生労働・財務・総務・文部科学の4大臣です。
暗記主務大臣は4人(厚生労働、財務、総務、文部科学)。一般職の公務員にとって、厚生年金保険は国公法・地公法の年金制度・共済制度の一部。
覚え方「こう・ざい・そう・もん」……会社員の厚(こう)、国家公務員のお財布の財(ざい)、地方公務員の総(そう)、学校の文(もん)。主務大臣は厚生労働・財務・総務・文部科学の4大臣(第100条の3の3)。
- ○厚生労働大臣(こう)
- ○財務大臣(ざい)
- ○総務大臣(そう)
- ○文部科学大臣(もん)
- ×人事院総裁・内閣総理大臣

ロウ先生こう・ざい・そう・もん、の4人です