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労働者災害補償保険法 ・ 第1章 労災保険のしくみ ― 目的と適用範囲

1-3国の直営事業・官公署など適用されない事業第3条第2項

前項の規定にかかわらず、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法(昭和22年法律第49号)別表第1に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない。

ポテ国立印刷局の職員さんにも労基法が適用されるなら、労災保険にも入ってますよね?

ロウ先生行政執行法人の職員は身分が国家公務員なので、労災保険法は適用されません。国家公務員災害補償法で補償されます。

ポテじゃあ公務員さんは、みんな労災保険の外なんですか?

ロウ先生地方公務員のうち、現業の事業場で使用される非常勤職員は対象です。「現業」は職種ではなく、学校など労基法別表第1の事業を行う事業場かどうかで決まります。

ポテなるほど!メニューの名前じゃなくて、どのお店の厨房かで決まるんですね!

1-2で見た「1人でも雇えば適用」には例外があります。公務員のように、労災保険と同じかそれ以上の補償制度がすでにある人たちです。二重に守る必要がないので、労災保険の外に置かれています。

外れる人と、その代わりの制度

働く人労災保険代わりに使う制度
国の直営事業で働く人適用なし国家公務員災害補償法
官公署の非現業部門で働く国家公務員適用なし国家公務員災害補償法
行政執行法人(国立印刷局・造幣局など)の職員適用なし国家公務員災害補償法(身分が国家公務員のため)
地方公務員の常勤職員・常勤的非常勤職員適用なし地方公務員災害補償法(現業・非現業を問わない)
非現業の官公署(本庁・教育委員会事務局など)の非常勤職員適用なし非常勤職員の公務災害補償等に関する条例
現業の事業場で使用される非常勤職員(会計年度任用職員を含む)適用あり―
独立行政法人の職員(行政執行法人を除く)適用あり―

「現業」は事業場ごとに決まる

現業か非現業かは、一人ひとりの職種で決めるのではありません。その人が使用されている事業(事業場)の種類で判断します。条文のかっこ書きにある「労働基準法別表第1に掲げる事業」を行う官公署が現業の事業場です。学校のような教育・研究の事業(別表第1第12号)、保健衛生、土木建築などを行う官公署がこれに当たります。

一方、本庁や教育委員会事務局のように一般の行政事務を行う官公署は非現業です。そこで働く非常勤職員には、地方公務員災害補償法に基づいて自治体が定める「議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例」が適用されます。

労災保険の対象になるのは、現業の事業場で使用される非常勤職員です。会計年度任用職員もここに含まれます。常勤職員と、常勤的非常勤職員(常勤と同じ勤務時間で月18日以上の勤務が12か月を超えて続いている人)は、現業・非現業を問わず地方公務員災害補償法の対象です。

行政解釈と実務での指摘

具体例で考える

D市では、市立小学校の用務員として、週3日勤務の非常勤職員Eさんを雇っています。同じ学校には、常勤の事務職員Fさんもいます。

見る順番は「どの事業場か」→「常勤か非常勤か」です。用務員という職種だから労災保険になるわけではありません。

ひっかけ注意行政執行法人の職員には、労働基準法は適用されますが、労災保険法は適用されません。「労基法が適用されるのだから労災保険法も適用される」という発想は通用しません。独立行政法人(行政執行法人以外)の職員とも混同しないようにしましょう。

暗記公務員で労災保険の対象になるのは「地方公務員 × 現業の事業場 × 非常勤(常勤的非常勤を除く)」の組み合わせだけ。

覚え方「地元の現場の、ときどきさん」……公務員で労災保険の対象になるのは、地方公務員(地元)×現業の事業場(現場)×非常勤(ときどき)の組み合わせだけ。常勤職員と常勤的非常勤職員は、現業でも非現業でも地方公務員災害補償法の対象。

地元の現場の、ときどきさん
労災保険の対象
  • 地方公務員で
  • 現業の事業場で使用される
  • 非常勤(常勤的非常勤を除く)
  • この3つがそろったときだけ
地方公務員災害補償法の対象
  • 常勤職員
  • 常勤的非常勤職員
  • 現業・非現業を問わない
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