横断まとめ ・ 第1章 加入と届出 ― 誰が入り、いつまでに何を出すか
1-2加入しない人(適用除外)各法の適用除外の規定
ポテ2か月だけのアルバイトなら、雇用保険も健康保険も同じルールで入らないんですよね?
ロウ先生物差しが違います。雇用保険は「同じ事業主に31日以上雇われる見込みがあるか」、健康保険と厚生年金は「2月以内の期間で、延長の見込みがないか」で見ます。
ポテえっ、同じ短期バイトなのに!?
ロウ先生「適用除外」は、その保険に入らない人のことです。法律ごとに外す理由が違うので、線の引き方も違うんです。
ポテなるほど!ドッグフードも、グラムで量る袋と粒の数で数える袋があるもんね!
この節では、それぞれの保険に「入らない人」(適用除外)を2つの表にまとめます。1つ目は働き方で外れる人で、雇用・健保・厚年の3つを並べます。2つ目は立場やほかの制度との関係で外れる人で、労災・国年・国保・後期高齢者医療・介護・船保も加えます。
健保と厚年は、期間の数字(日々雇いは1月、季節的業務は4月、臨時的事業は6月)と短時間で働く人の基準がそろっています。雇用は「31日」「週20時間」「昼間学生」という別の物差しを使うので、1つ目の表では列ごとに雇用の行と健保・厚年の行を見比べてください。
2つ目の表は、「ほかの制度で守られているから外す」という考え方が共通しています。労災の公務員、国保の会社員や生活保護を受けている世帯、介護の障害者支援施設の入所者などがその例です。
働き方で外れる人(雇用・健保・厚年)
| 科目 | 短い期間の雇用 | 季節的・臨時的な仕事 | 短時間・学生 | テキスト |
|---|---|---|---|---|
| 雇用 | 同じ事業主に31日以上雇われる見込みがない人(前2月の各月に18日以上同じ事業主のもとで働いた人などは加入) | 季節的に雇われる人で、4箇月以内の期間を定めるか、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の人 | 週の所定労働時間が20時間未満の人/昼間学生(卒業後も同じ事業で働く予定の人・休学中の人・定時制の人などは加入) | 雇用 2-4 |
| 健保 | 日々雇い入れられる人は1月を超えたら加入。2月以内の期間で延長の見込みがない人は、定めた期間を超えたら加入 | 季節的業務ははじめから4月を超える予定なら加入。臨時的事業ははじめから6月を超える予定なら加入 | 4分の3基準を満たさない人のうち、週20時間未満の人と学生等。それ以外の人も、当分の間は特定適用事業所(50人超)などで働く場合に限って加入 | 健保 2-5 |
| 厚年 | 日々雇いは1月超、2月以内の期間雇いは定めた期間超で加入。船舶所有者に使用される船員はこの除外の対象外 | 季節的業務は4月超、臨時的事業は6月超の予定なら加入。季節的業務の除外も船員は対象外 | 4分の3基準を満たさない人のうち、週20時間未満の人と学生等(4分の3基準を満たせば学生でも加入)。加入は当分の間、特定適用事業所(50人超)・国や地方公共団体の事業所などに限る | 厚年 2-6 |
立場やほかの制度との関係で外れる人
| 科目 | 外れる人・事業 | 補足 | テキスト |
|---|---|---|---|
| 労災 | 国の直営事業と官公署の事業(労基法別表第1の事業を除く) | 現業の事業場で使用される非常勤の地方公務員には適用あり。行政執行法人の職員には適用なし | 労災 1-3 |
| 雇用 | 政令で定める漁船に乗り組むために雇われる船員/離職時に受ける給与が求職者給付・就職促進給付の内容を超える公務員など | 公務員の除外の承認は、都道府県等が厚生労働大臣、市町村等が都道府県労働局長。国は承認が要らない | 雇用 2-4 |
| 健保 | 船員保険の被保険者、所在地が一定しない事業所の人、国民健康保険組合の事業所の人、後期高齢者医療の被保険者等 | 所在地が一定しない事業所の人には、加入に戻る道がない | 健保 2-5 |
| 厚年 | 所在地が一定しない事業所の人 | 健保と同じく戻る道がない。臨時的事業の除外には船員の例外がない | 厚年 2-6 |
| 国年 | 第1号から外れる人:厚年法の老齢給付等を受けられる人、省令で定める外国人(入院・治療や観光・保養のために滞在する人など) | 老齢給付等を受けられる人は、希望すれば自分から加入できる | 国年 2-1 |
| 国保 | 健康保険・船員保険・共済組合などの本人とその被扶養者、国民健康保険組合の被保険者、後期高齢者医療の被保険者、生活保護を受けている世帯の人 | 保護を停止されている世帯の人は外れない。健保の日雇特例被保険者は会社の健康保険の本人としては外れない(日雇特例被保険者手帳の印紙の余白がなくなるまでの人とその被扶養者は外れる) | 社一 3-10 |
| 後期 | 生活保護を受けている世帯(停止中の世帯を除く)の人など | 生活保護の世帯に属したときは、その日に資格を失う | 社一 5-1 |
| 介護 | 障害者支援施設など、省令で定める施設に入所している人(当分の間) | 障害福祉の側で必要な介護が行われているため | 社一 6-6 |
| 船保 | 船員法の船舶から外れる船(総トン数5トン未満の船、湖・川・港だけを走る船、政令で定める30トン未満の漁船など)で働く人/船舶所有者本人 | 30トン未満で外れるのは政令で定める漁船だけ。一般の船は5トン未満が対象外 | 社一 12-5 |
違いのポイント
- 健保と厚年は、日々雇い1月・季節的業務4月・臨時的事業6月の数字が同じです。違うのは、厚年だけが船員を臨時使用と季節的業務の除外から外していることです。
- 雇用は、期間を「31日以上雇われる見込み」で、季節雇用を「4箇月以内」か「週20時間以上30時間未満」で判断し、健保・厚年とは物差しが違います。
- 週20時間未満で外れるのは3つに共通ですが、健保・厚年は先に4分の3基準で振り分けます。
- 学生は、雇用では昼間学生が外れ(定時制などは加入)、健保・厚年では4分の3基準を満たさない学生等が外れます。
- 所在地が一定しない事業所の人は、健保・厚年のどちらでも戻る道のない除外です。
- 生活保護を受けている世帯の人は国保と後期高齢者医療から外れ、どちらも保護停止中の世帯は外れません。
ひっかけ注意「3か月の予定で季節的業務に雇われた人が、結果として4か月を超えて働いたら、健康保険・厚生年金の被保険者になる」は誤りです。季節的業務と臨時的事業は「はじめの予定」で決まります。また「船員も季節的業務なら厚生年金の適用除外になる」も誤りで、船員は臨時使用と季節的業務の除外の対象外です。
暗記健保・厚年=日々雇い1月超・期間雇いは定めた期間超・季節的業務4月超・臨時的事業6月超(季節・臨時ははじめの予定)・所在地不定は戻り道なし・4分の3未満で週20時間未満か学生等は除外。雇用=週20時間未満・31日以上の見込みなし・一定の季節雇用・昼間学生など。
覚え方「健保・厚年は"1・4・6"の三段跳び、雇用は"20時間と31日"の二本線」……健保・厚年は、日々雇いが1月超、季節的業務がはじめから4月超、臨時的事業がはじめから6月超の予定なら加入する。雇用保険は、週の所定労働時間が20時間未満の人と、31日以上雇われる見込みがない人が外れる。
- 日々雇い:1月超
- 季節的業務:はじめから4月超の予定
- 臨時的事業:はじめから6月超の予定
- 週の所定労働時間が20時間未満
- 31日以上雇われる見込みがない