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労働安全衛生法 ・ 第1章 安衛法の全体像と登場人物

1-5事業者・設計者・注文者などの責務第3条

① 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
② 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
③ 建設工事の注文者その他の仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、作業方法、工期、納期等について、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。

ポテ事業者は、法律の最低基準さえ守っていれば合格ですよね?

ロウ先生1項は「単に最低基準を守るだけでなく」です。快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、安全と健康を確保しなければなりません。

ペン社長いいこと思いついたぞ!部品の外注先に、2週間かかる量を3日で納めてもらおう!

ロウ先生納期や作業方法で、安全で衛生的な作業を損なうおそれのある条件を付けないよう配慮するのが3項です。令和7年の改正で、建設工事以外の発注者も対象になりました。

ポテ社長、急がば回れですよ!おやつも一気に食べると、おなかがパンパンでお散歩に行けなくなるんです。

労働災害の原因は、雇っている会社の中だけにあるとは限りません。危ない機械を作った人、無理な日程で仕事を出した人にも原因があります。そこで第3条は、立場の違う3者にそれぞれの責任を割り振っています。

3者の責務を並べる

項誰が何を義務の強さ
1項事業者最低基準を守るにとどまらず、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて安全と健康を確保する。国の労働災害防止施策に協力する確保するようにしなければならない
2項機械・器具・設備の設計者・製造者・輸入者、原材料の製造者・輸入者、建設物の建設者・設計者その物が使われることによる労働災害の防止に役立つようにする努めなければならない(努力義務)
3項建設工事の注文者その他の、仕事を他人に請け負わせる者施工方法・作業方法・工期・納期などで、安全で衛生的な作業を損なうおそれのある条件を付けない配慮しなければならない(配慮義務)

3項の改正 ― 建設工事以外の発注にも広がった

令和7年法律第33号により、3項が改正されました(公布日の令和7年5月14日施行)。変わった点は次の3つです。

通達〔令和7年基発0514第1号〕でも、建設工事以外の注文者が対象に含まれることが示されています。製造業の部品発注や、物流・運送の委託なども視野に入ります。

行政解釈と裁判例

具体例で考える

家電メーカー「青葉電機」が、部品の組立てを個人経営の工場に外注したとします。発売日に間に合わせるため、通常なら2週間かかる量を3日で納めるよう求め、そのために安全カバーを外して機械の速度を上げるやり方を指定しました。これは、納期と作業方法の両面で安全を損なう条件を付けたことになり、3項の配慮を欠く典型例です。改正前は建設工事の注文者が中心でしたが、今はこうした製造業の発注も対象として意識する必要があります。

暗記語尾で区別します。事業者は「しなければならない」、設計者・製造者・輸入者・建設者は「努めなければならない」、注文者は「配慮しなければならない」。3項の配慮の対象は「施工方法・作業方法・工期・納期等」。

覚え方「じっ(事業者)と『しなきゃ』、せっ(設計者等)せと『努め』、ちゅう(注文者)いして『配慮』」……1項の事業者は「しなければならない」、2項の設計者・製造者・輸入者・建設者は「努めなければならない」、3項の注文者その他の仕事を請け負わせる者は「配慮しなければならない」。3項の配慮の対象は施工方法・作業方法・工期・納期等(3条)。

ひっかけ注意1項の事業者の責務は「最低基準を守れば足りる」ではありません。また2項の対象に「原材料を使用する者」は入っていません。製造者と輸入者です。

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