労働安全衛生法 ・ 第1章 安衛法の全体像と登場人物
1-7共同企業体(JV)で代表者を1人に決めるとき第5条
① 2以上の建設業に属する事業の事業者が、一の場所において行われる当該事業の仕事を共同連帯して請け負つた場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、そのうちの1人を代表者として定め、これを都道府県労働局長に届け出なければならない。
② 前項の規定による届出がないときは、都道府県労働局長が代表者を指名する。
③ 前2項の代表者の変更は、都道府県労働局長に届け出なければ、その効力を生じない。
④ 第1項に規定する場合においては、当該事業を同項又は第2項の代表者のみの事業と、当該代表者のみを当該事業の事業者と、当該事業の仕事に従事する労働者を当該代表者のみが使用する労働者とそれぞれみなして、この法律を適用する。
ポテJVって、出資割合がいちばん大きい会社が自動的に代表になるんですよね?
ロウ先生JVは複数の建設会社が組んで受注する共同企業体のことですが、代表は自動では決まりません。1人を決めて、仕事を始める14日前までに監督署長経由で労働局長に届け出ます。届出がなければ局長が指名します。
ポテじゃあ、JVから足場工事を請け負った下請さんの社員も、代表の会社の労働者に?
ロウ先生代表者が使用するとみなされるのは、JV構成員の労働者までです。下請負人の労働者は含みません。
ポテなるほど!鍋パの幹事は1人だけど、隣の部屋のお客さんまでは面倒を見ないってことか〜。
大きなトンネルや橋の工事では、複数の建設会社が「共同企業体(ジョイントベンチャー、JV)」を組んで受注することがあります。JVは各社が出資して作る団体ですが、それ自体は法人格を持ちません。放っておくと「事故が起きたとき、どの会社が安衛法上の事業者なのか」が曖昧になります。第5条は、その責任の所在を1社にまとめるための規定です。
手続の流れ
- 代表者を1人決めて届け出る … 届出先は都道府県労働局長。工事の場所を管轄する労働基準監督署長を経由し、仕事を始める日の14日前までに出します(安衛則1条)
- 届出がなければ局長が指名 … JV側が決めなくても、代表者不在のままにはなりません
- 代表者を変えるとき … 変更後、遅滞なく届け出ます。届け出なければ変更の効力は生じません(安衛則1条)
届出の効果 ― 代表者だけが事業者になる
代表者が決まると、安衛法の上では次のようにみなされます。
- その工事は代表者だけの事業
- 事業者は代表者だけ
- その工事に従事する労働者は、すべて代表者が使用する労働者
具体例で考える
「山都建設」「浜北土木」「筑後工務店」の3社が、出資割合5:3:2でJVを組み、県道のトンネル工事を受注しました。3社は話し合って山都建設を代表者に決め、着工日の14日前までに、現場を管轄する監督署長を通じて労働局長に届け出ます。届出後は、浜北土木と筑後工務店から現場に来た社員も含め、JVの構成員の労働者はすべて山都建設が使用する労働者として扱われます。管理者の選任などの人数計算も、山都建設1社の事業として行います。
一方、JVからさらに足場工事を請け負った下請会社の社員は、このみなしの対象外です。下請との関係は第4章の元方事業者のルールで整理します。
ひっかけ注意代表者が使用するとみなされるのは「当該事業の仕事に従事する労働者」、つまりJV構成員の労働者です。下請負人の労働者までは含みません。また、対象は2以上の建設業の事業者が共同連帯して請け負う場合に限られます。
暗記「建設業2社以上・同じ場所・共同連帯」→「代表者1人」→「開始の14日前までに労働局長(監督署長経由)」。届出なしは局長が指名、変更は届出がないと無効。
覚え方「いっしょ(14)に組んだら、14日前に代表1人」……2以上の建設業の事業者が同じ場所の仕事を共同連帯して請け負ったら、代表者を1人決め、仕事開始の14日前までに監督署長を経由して労働局長に届け出る。届出がなければ局長が指名し、代表者の変更は届け出なければ効力がない(5条、安衛則1条)。
- 1同じ場所の仕事を共同連帯で請け負う2以上の建設業の事業者
- 2代表者を1人決める
- 3仕事開始の14日前までに届け出る監督署長を経由して労働局長へ

ロウ先生いっしょ(14)に組んだら、と覚えましょう