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国民年金法 ・ 第1章 全国民共通の1階部分・国民年金の地図

1-2国が運営し、市町村や共済組合が事務の一部を担う第3条

【3条1項】国民年金事業は、政府が、管掌する。
【3条2項】国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によつて組織された共済組合(以下単に「共済組合」という。)、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団(以下「共済組合等」という。)に行わせることができる。
【3条3項】国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が行うこととすることができる。

ポテ市役所で年金の手続をしたから、国民年金を運営してるのは市役所なんですね!

ロウ先生運営の責任者、つまり「管掌」するのは政府です。市町村長は政令で決まった事務の一部を受け持っているだけです。

ポテじゃあ年金のお金も市役所から振り込まれるんですか?

ロウ先生市町村長がするのは請求の受付と、その中身の審査までです。支払は国の側の仕事です。

ポテなるほど!ドッグカフェの受付さんは注文を聞くけど、おやつを焼くのは厨房なんだ!

国民年金は全国民が入る大きな制度です。責任をもって運営するのは国(政府)ですが、窓口の仕事まですべて国だけでこなすのは現実的ではありません。そこで第3条は、運営の主体を政府と定めたうえで、事務の一部をほかの組織に任せる道を2つ用意しています。

担い手は3者

だれが何をするか根拠
政府国民年金事業を管掌する(運営の責任をもつ)3条1項
共済組合等政令の定めにより、事務の一部を行わせることができる3条2項
市町村長(東京23区の区長を含む)政令の定めにより、事務の一部を行うこととすることができる3条3項

3条2項の「共済組合等」は、次の5つをひとまとめにした呼び名です。

公務員や私立学校の教職員も国民年金の加入者なので、ふだんから彼らの年金を扱っている組織にも事務を分けられるようにしています。

市町村長が受け持つ主な事務

施行令1条の2が具体的な中身を並べています。共通するのは「申出・請求・申請を受け取り、その事実を審査する」という形です。

一方、年金の支払そのものは市町村長の事務に入っていません。脱退一時金の請求もこの一覧には出てきません。死亡一時金の請求は、請求する人の住所地の市町村が窓口になります。

市町村長が行うこれらの事務は、次の1-3で見るように地方自治法の「第1号法定受託事務」という扱いです。

具体例で考える

大学を出てからずっと自営業だったタナカさん(65歳)は、会社勤めの経験がありません。老齢基礎年金を請求するとき、タナカさんは住んでいる市の国民年金の窓口に請求書を出せます。市は書類を受け取り、記載の事実を確かめるところまでを担当します。年金を決めて振り込むのは国の側です。もしタナカさんに会社員時代があれば、第1号被保険者の期間「だけ」の人ではないので、この市町村長の事務には当たりません。

ポイント「管掌」は運営の責任者という意味の言葉です。国民年金では政府だけが管掌者です。共済組合等と市町村長は、いずれも「政令の定めるところにより」事務の一部を受け持つ立場にとどまります。

ひっかけ注意「市町村長は老齢基礎年金の支払に関する事務を行う」は誤りです。市町村長の担当は受理と審査までです。また、共済組合等に事務を行わせる根拠も、市町村長が事務を行う根拠も「政令」です。「厚生労働省令」と入れ替えた選択肢に気をつけましょう。

暗記管掌=政府(3条1項)。事務の一部=共済組合等(3条2項・政令)/市町村長(3条3項・政令)。市町村長の仕事は「受理と審査」。

覚え方「まとめ役は政府、窓口は町と組合、払うのは国」……管掌するのは政府。事務の一部は政令で市町村長と共済組合等が受け持つ。市町村長は請求などの受理・審査をし、支払はしない(第3条・施行令1条の2)。

だれが何を受け持つか
政府
  • 管掌する(運営の責任者)
共済組合等
  • 事務の一部(政令の定めにより)
市町村長
  • 請求などの受理・審査(政令の定めにより)
  • 支払はしない
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