国民年金法 ・ 第1章 全国民共通の1階部分・国民年金の地図
1-3市町村が受け持つ事務は法定受託事務という位置づけ第6条
【6条】第十二条第一項及び第四項(第百五条第二項において準用する場合を含む。)並びに第百五条第一項及び第四項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
【施行令18条】第一条の二の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
ポテ市役所の年金窓口のお仕事って、市が自分で考えてやってる「市の仕事」ですよね?
ロウ先生いいえ。本来は国が果たすべき役割を、法律や政令にもとづいて市町村が処理しています。これを「第1号法定受託事務」といいます。
ポテ国からの預かりものってことか!
ロウ先生そうです。全国どこでも同じように正しく処理されることが特に求められる事務です。……「受託」だけに、じゅたくさん頼まれています。今のは忘れてください。
ポテなるほど!となりの家から預かった骨は、ぼくが勝手にかじっちゃダメってことだね!
市町村の仕事には、市町村が自分の判断で進める「自治事務」と、国などから法令で任された「法定受託事務」があります。国民年金で市町村が担う事務は後者です。年金は全国共通のしくみなので、住む場所で扱いが変わっては困るからです。
ことばの確認
地方自治法2条9項1号は、法律や政令で都道府県・市町村が処理することとされた事務のうち、国が本来果たすべき役割にかかわり、国が適正な処理を特に確保する必要があるものを「第1号法定受託事務」と呼んでいます。
どの事務が当たるのか
| 根拠 | 市町村が扱う事務の例 |
|---|---|
| 12条1項・4項 | 第3号被保険者以外の被保険者が出す、資格の取得・喪失、種別の変更、氏名・住所の変更の届出を受け取る。受け取ったら厚生労働大臣に報告する |
| 105条1項・4項(2項の準用を含む) | 同じ被保険者の、そのほかの省令で定める届出を受け取る。被保険者が亡くなったときの死亡の届出を受け取る |
| 施行令1条の2(施行令18条) | 任意加入の申出、老齢基礎年金などの請求、保険料免除の申請などの受理と審査(1-2で確認した事務) |
第6条が名前を挙げるのは、法律そのものが市町村に処理させている届出の事務です。第3条3項にもとづき政令で市町村長に任せた事務のほうは、施行令18条で同じく第1号法定受託事務とされています。つまり、国民年金で市町村が扱う事務は、どちらのルートでも同じ位置づけになります。
具体例で考える
会社を辞めて独立したイシイさん(29歳)は、厚生年金から外れて第1号被保険者になりました。イシイさんは種別が変わったことを住所地の市役所に届け出ます。市役所はその届出を受け付け、国(厚生労働大臣)に報告します。この一連の事務が、第6条でいう第1号法定受託事務です。
ポイント第3号被保険者の届出は市町村長ではなく厚生労働大臣あてです(12条5項)。第6条の対象に第3号被保険者の届出が入っていないのはこのためです。届出の細かいルールは第2章で学びます。
ひっかけ注意「市町村が処理する国民年金の事務は自治事務である」は誤りです。また「第2号法定受託事務」でもありません。第2号は、都道府県が本来果たすべき役割を市町村が処理する事務を指す区分です。
暗記市町村の国民年金事務(12条1項・4項、105条1項・4項、施行令1条の2)=地方自治法2条9項1号の第1号法定受託事務。
覚え方「年金窓口は国からの1番の預かりもの」……市町村が扱う国民年金の事務は、国が本来果たすべき役割を任された「第1号」法定受託事務(第6条・施行令18条)。
- ○第1号法定受託事務
- ×自治事務
- ×第2号法定受託事務