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国民年金法 ・ 第1章 全国民共通の1階部分・国民年金の地図

1-5拠出制から基礎年金まで、制度のあゆみ第1条・昭60法附則第1条

【昭60法附則1条】この法律は、昭和六十一年四月一日(以下「施行日」という。)から施行する。

ポテ国民皆年金って、国民年金法ができた昭和34年に始まったんですよね?

ロウ先生法律の制定は昭和34年ですが、保険料を納める拠出制が始まって国民皆年金になったのは昭和36年4月です。

ポテじゃあ昭和34年には何も起きなかったんですか?

ロウ先生同じ年の11月から、保険料を納めずに受け取れる福祉年金の支給が先に始まりました。

ポテなるほど!ごはんの前に、おやつが先に出てきたんだ!

国民年金の条文には「旧法」「新法」という言葉がたびたび出てきます。境目は昭和61年4月1日です。なぜそこで制度が分かれるのかは、歩みをたどると見えてきます。

年表でたどる

いつ何が起きたか
昭和34年4月国民年金法が成立
昭和34年11月保険料の負担がない(費用を国が出す)福祉年金の支給開始。制度ができた時点ですでに高齢、障害、母子の状態にあって、保険料を納める機会がなかった人が対象
昭和36年4月加入者が保険料を出し合う拠出制が動き出す。だれもがどこかの公的年金に入る国民皆年金の体制が整う。いくつもの年金制度の加入期間をつないで数える通算年金制度も同時にできた
昭和61年4月1日大改正の施行(昭60法附則1条)。国民年金が全国民に共通の基礎年金を支給する制度になる
平成27年10月被用者年金の一元化。公務員・私学教職員の共済年金を厚生年金保険にまとめる
平成29年8月老齢基礎年金などを受けるのに必要な期間が25年から10年に短くなる

昭和61年に何が変わったか

改正の前、国民年金は主に自営業者や農業の人などのための制度でした。会社員は厚生年金保険、公務員は共済組合と、働き方ごとに別々の年金に入っていました。会社員の妻などは国民年金に入るかどうかを自分で選ぶ任意加入の扱いでした。

昭和61年4月からは、会社員や公務員とその被扶養配偶者も国民年金の被保険者になりました。全員が1階部分の基礎年金を共通に受け取り、会社員などはその上に2階部分の厚生年金を受け取る「2階建て」の形です。会社員は、厚生年金と国民年金の両方に同時に入っていることになります。この日より前のしくみを旧法、後を新法と呼びます。

旧法(昭和61年3月まで) 国民年金 厚生年金 共済組合 新法(昭和61年4月から) 2階 厚生年金会社員・公務員など 1階 基礎年金(国民年金)全国民に共通 働き方ごとに別々の年金 → 共通の1階の上に2階を重ねる
昭和61年4月1日を境に、制度は「旧法」と「新法」に分かれる。

平成27年の一元化と「号」の読み分け

平成27年10月の一元化で、共済年金は厚生年金保険に統合されました。共済組合などは、厚生年金の事務を受け持つ実施機関として残っています。厚生年金の被保険者は、所属によって次の4種類に分かれます。

厚生年金での区分どんな人か国民年金での区分
第1号厚生年金被保険者民間の会社員などすべて国民年金の第2号被保険者。その被扶養配偶者は第3号被保険者
第2号厚生年金被保険者国家公務員
第3号厚生年金被保険者地方公務員
第4号厚生年金被保険者私立学校の教職員

同じ「第2号」でも、厚生年金の「第2号」は国家公務員、国民年金の「第2号」は厚生年金に入っている人全体を指します。一元化で1階の国民年金のしくみは変わっていません。公務員については、なくなった職域加算に代わって「退職等年金給付」(年金払い退職給付)が設けられています。

具体例で考える

昭和55年に会社員の夫と結婚したキムラさん(専業主婦)は、当時は国民年金に入るかどうかを選べる立場でした。昭和61年4月からは、会社員の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者になり、自分名義の基礎年金を受け取れる道が開けました。新法が「全国民共通」と呼ばれる理由が、ここにあります。

ひっかけ注意「国民皆年金は昭和34年4月に実現した」は誤りです。昭和34年は法律の成立と福祉年金の支給開始(11月)、国民皆年金は拠出制が始まった昭和36年4月です。また、厚生年金の第2号〜第4号被保険者を、国民年金の第2号〜第3号と取り違えないようにしましょう。

暗記昭和34年4月 法律成立 → 同年11月 福祉年金 → 昭和36年4月 拠出制・国民皆年金・通算年金制度 → 昭和61年4月1日 新法(基礎年金) → 平成27年10月 被用者年金一元化 → 平成29年8月 受給資格期間10年。

覚え方「福祉が先、拠出は2年後、基礎年金はそこから25年後」……昭和34年11月に福祉年金、2年後の昭和36年4月に拠出制(国民皆年金)、さらに25年後の昭和61年4月に基礎年金(新法)。

制度のあゆみの3つの節目
昭和34年11月福祉年金の支給開始
昭和36年4月拠出制・国民皆年金(2年後)
昭和61年4月基礎年金・新法(さらに25年後)
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