国民年金法 ・ 第1章 全国民共通の1階部分・国民年金の地図
1-6国民年金から出る給付は全部でいくつあるか第15条
【15条】この法律による給付(以下単に「給付」という。)は、次のとおりとする。
一 老齢基礎年金
二 障害基礎年金
三 遺族基礎年金
四 付加年金、寡婦年金及び死亡一時金
ペン社長いいこと思いついたぞ!うちの外国人スタッフが帰国したら、第15条の給付の脱退一時金を出してやろう!
ロウ先生社長、脱退一時金は第15条には出てきません。附則で定められた給付です。それに、国民年金から出るもので、会社が出すものではありません。
ポテじゃあ第15条の給付って、全部「〜年金」なんですか?
ロウ先生年金でないものも1つあります。死亡一時金です。
ポテなるほど!お弁当の中に、おにぎりじゃない唐揚げがひとつ紛れてるんだ!
第15条は、国民年金法が「給付」と呼ぶもののリストです。ここに並ぶものが、この法律の本体(本則)で定められた給付です。あわせて「給付」という言葉の定義もこの条文で置かれ、以後の条文では単に「給付」と書けばこのリストを指します。
第15条のリストを読む
| 号 | 給付 | だれのための給付か |
|---|---|---|
| 1号 | 老齢基礎年金 | 全国民に共通(1階部分) |
| 2号 | 障害基礎年金 | 全国民に共通(1階部分) |
| 3号 | 遺族基礎年金 | 全国民に共通(1階部分) |
| 4号 | 付加年金、寡婦年金、死亡一時金 | 第1号被保険者の期間にもとづく独自の給付 |
号の数は4つですが、給付の種類で数えると6つです。1号〜3号の基礎年金は、会社員や公務員も含めて誰でも対象になりうる給付です。4号にまとめられた3つは、自営業の人など第1号被保険者として保険料を納めた期間があることを前提にした、国民年金ならではの給付です(第10章)。
第15条の外にある給付
- 脱退一時金(法附則9条の3の2):短期間だけ日本で加入した外国人が、出国後に請求するもの。第1号被保険者の期間にもとづく給付ですが、附則に置かれているので第15条のリストには入っていません。ほかの給付と同じく国民年金から支給されるもので、勤め先の会社が出すものではありません
- 特別一時金(昭60法附則94条):昭和61年の改正にともなう経過的な給付です
- 老齢福祉年金:旧法の福祉年金のうち、今も同じ名前で支給が続いているもの。ほかの福祉年金は、昭和61年4月に新法の基礎年金に切り替えられました(1-8・1-9)
具体例で考える
40歳で亡くなったオオタさんは、20歳から自営業で保険料を納めてきました。子どもはすでに独立しています。この場合、子のある配偶者・子がいないので遺族基礎年金(3号)は出ませんが、要件を満たせば、妻に寡婦年金か、遺族に死亡一時金(いずれも4号)が出る可能性があります。第1号被保険者として納めた保険料が掛け捨てにならないよう、4号の給付が用意されているのです。どちらを受け取るかなどの細かいルールは第10章で学びます。
ポイント第15条で「基礎年金」と名の付くものは3つ。4号の3つは、どれも第1号被保険者としての期間がかかわる給付です。この分け方を頭に入れておくと、第7章以降の構成が見通しやすくなります。
ひっかけ注意「第15条に規定する給付には脱退一時金が含まれる」は誤りです。脱退一時金は附則の給付です。また、付加年金は老齢基礎年金と同じ号ではなく、寡婦年金・死亡一時金と一緒に4号に置かれています。
暗記15条=①老齢基礎年金 ②障害基礎年金 ③遺族基礎年金 ④付加年金・寡婦年金・死亡一時金。附則の給付は2つ=脱退一時金(法附則9条の3の2)・特別一時金(昭60法附則94条)で、15条には数えない。
覚え方「基礎が3つに、おまけが3つ」……第15条の給付は、老齢・障害・遺族の3つの基礎年金と、第1号被保険者向けの付加年金・寡婦年金・死亡一時金の3つ。脱退一時金はこの6つに入らない。
- 老齢基礎年金
- 障害基礎年金
- 遺族基礎年金
- 付加年金
- 寡婦年金
- 死亡一時金
- 脱退一時金(附則の給付)