厚生年金保険法 ・ 第1章 会社員と公務員をひとつにした厚生年金
1-3厚生年金から受けられる給付のラインナップ第32条
第三十二条 この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。第三十四条第一項、第四十条、第七十九条第一項及び第二項、第八十一条第一項、第八十四条の五第二項並びに第八十四条の六第二項並びに附則第二十三条の三において「政府等」という。)が行う。
一 老齢厚生年金
二 障害厚生年金及び障害手当金
三 遺族厚生年金
ポテ厚生年金の給付って、老齢・障害・遺族の「年金」3つだけですよね?
ロウ先生第32条の2号は「障害厚生年金及び障害手当金」です。障害手当金は年金ではなく、一度だけ支給される一時金です。
ポテえっ、そうなの!?年金セットに単品メニューがまざってた!
ロウ先生附則にも特別支給の老齢厚生年金や脱退一時金などがあります。メニュー表は裏までめくってください。
第32条は、本則(法律の本体)で定める保険給付の一覧表です。第1条の「老齢・障害・死亡」という3つの出来事に、そのまま対応しています。
本則の保険給付は3号・4種類
| 出来事 | 保険給付 | 形 | くわしく学ぶ章 |
|---|---|---|---|
| 老齢 | 老齢厚生年金 | 年金 | 第7章 |
| 障害 | 障害厚生年金 | 年金 | 第9章 |
| 障害手当金 | 一時金 | 第9章(9-8) | |
| 死亡 | 遺族厚生年金 | 年金 | 第10章 |
給付を行うのは「政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く)」です。会社員(第1号厚生年金被保険者)の期間にもとづく給付は政府が行い、公務員や私学教職員の期間にもとづく給付はそれぞれの共済組合等が行います(1-5)。
附則に置かれた給付
本則のほかに、経過措置として附則で定められている給付があります。
- 特別支給の老齢厚生年金:65歳になる前に支給される老齢厚生年金(第8章)
- 特例老齢年金・特例遺族年金:旧共済組合員期間と合わせて20年以上ある人とその遺族への特例(8-3・10-10)
- 脱退一時金:加入期間の短い外国人が帰国したときの一時金(11-1)
- 脱退手当金:旧法から引き継いだ一時金。昭和16年4月1日以前に生まれた人が対象(11-2)
国民年金にはない、厚生年金だけの給付
基礎年金とくらべて、厚生年金にしかない給付があります。
- 特別支給の老齢厚生年金
- 3級の障害厚生年金と障害手当金(障害基礎年金は1級・2級だけ)
- 子のある配偶者・子以外の遺族(子のない妻や夫、父母、孫、祖父母)への遺族厚生年金
具体例で考える
運送会社で働くDさんは、仕事と関係のない交通事故で足を痛めました。初診日から5年以内に治り、障害は3級より軽いものでした。この場合、年金ではなく障害手当金という一時金の対象になりえます。国民年金には3級も一時金もないので、厚生年金に入っていたからこそ受けられる給付です。
一元化の前に始まった共済年金
平成27年10月1日より前に支給事由が生じた共済年金は、一元化後も、引き続き共済組合等が支給します。
ポイント本則の給付は「老齢・障害・遺族」の3つの柱と覚え、障害の柱にだけ一時金(障害手当金)が付いている、と整理します。
ひっかけ注意「脱退一時金は第32条に定める保険給付である」は誤りです。脱退一時金は附則で定める給付です。また「障害手当金は年金たる保険給付である」も誤り。一時金です。
暗記本則は3号で4種類。年金が3つ(老齢・障害・遺族)と、一時金が1つ(障害手当金)。附則の給付は5つで、65歳前の特別支給、旧共済期間がある人の特例2つ(老齢と遺族)、外国人向けの脱退一時金、旧法から残る脱退手当金。
覚え方「老・障・遺の3本柱、障害の柱にだけおまけの手当」……本則の保険給付は老齢厚生年金、障害厚生年金と障害手当金、遺族厚生年金(第32条)。
- 老齢厚生年金
- 障害厚生年金
- 遺族厚生年金
- 障害手当金(障害の柱だけのおまけ)

ポテ3本柱に、おまけが1つ!