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労働基準法 ・ 第10章 年少者と妊産婦等の保護

10-2年齢証明書と未成年者の契約・賃金の受取り第57条〜第59条

【57条】① 使用者は、満18才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
② 使用者は、前条第2項の規定によつて使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない。
【58条】① 親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない。
② 親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向つてこれを解除することができる。
【59条】未成年者は、独立して賃金を請求することができる。親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代つて受け取つてはならない。

ポテ17歳の弟のバイト契約、親が代わりにサインしておけばいいですよね?

ロウ先生58条で、親権者や後見人が未成年者に代わって労働契約を結ぶことは禁止です。本人が同意していても同じです。

ポテじゃあお給料を親がまとめて受け取ってあげるのは?

ロウ先生それも59条で禁止です。本人に頼まれた場合も含みます。未成年者は自分ひとりで賃金を請求できます。

ポテなるほど!お給料は親のお財布を通らず、本人のお財布へ直行なんですね!

この3つの条文は、どれも「若い働き手の周りにいる大人」を縛るものです。57条は使用者に年齢確認の証拠を残させ、58条・59条は親などが子の労働や給料を食い物にすることを防ぎます。

職場に置いておく書類(57条)

働く人戸籍証明書(年齢の証明)学校長の証明書親権者・後見人の同意書
18歳未満の人(年少者)必要不要不要
56条2項の許可で使う児童必要必要必要

ポイント児童を使うときは書類が2回出てきます。1回目は許可をもらう段階で、申請書に添えて署長へ出すもの(年少則1条)。2回目は許可が下りて働かせる段階で、職場に保管しておくもの(57条)。「出す」と「置く」を分けて覚えると混乱しません。

親は代わりに契約できない(58条1項)

民法では、親権者や後見人は法定代理人として子に代わって契約を結べます。しかし労働契約だけはこの代理が禁じられています。本人が「お願い」と同意していても同じです。親が子を働かせて対価を得る、という昔からの弊害を断つため、罰則付きで禁止されています。

17歳のBさんの父親が、知り合いの工務店と「息子を雇ってくれ」と勝手に契約を結んだとします。これは58条1項違反です。Bさん本人が契約の当事者として、自分で結ぶ必要があります。

不利な契約は打ち切れる(58条2項)

行政機関にも解除の権限があるのは、親が子を守る役目を果たさないこともあるからです。

給料は本人が受け取る(59条)

未成年者は、親の手を借りずに自分ひとりで賃金を請求できます。そして親権者・後見人が代わりに賃金を受け取ることは禁止です。この禁止は、本人から「代わりにもらってきて」と頼まれた場合にも及びます。

成年年齢の引下げとの関係

民法改正(令和4年4月1日施行)で、成年は18歳からになりました。そのため、労基法の「年少者(18歳未満)」と民法の「未成年者」は、いまは同じ年齢層を指します。ただし58条・59条・72条は「未成年者」という言葉のまま残っています。

ひっかけ注意試験で狙われるのは次の3つです。①未成年者が同意すれば親が代理で労働契約を結べる→誤り。②未成年者から委任を受ければ親が賃金を受け取れる→誤り。③58条2項の解除で契約は最初から無効になる→誤り(将来に向かってのみ)。

覚え方「親にできない『代わりに』が2つ、親にもできる『これから先の解除』が1つ」……親権者・後見人は、未成年者に代わって労働契約を結べない(58条1項)。未成年者の賃金を代わりに受け取れない(59条)。契約が未成年者に不利なら、親権者・後見人・監督署長が将来に向かって解除できる(58条2項)。職場に置く書類は、18歳未満なら年齢の証明、許可で使う児童なら学校長の証明書と親権者等の同意書も(57条)。

未成年者の労働契約と賃金
  • ×未成年者に代わって労働契約を結ぶ(本人が同意しても)
  • ×未成年者の賃金を代わりに受け取る(頼まれても)
  • ○未成年者は独立して賃金を請求できる
  • ○不利な契約を将来に向かって解除(親権者・後見人・署長)
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