労働基準法 ・ 第10章 年少者と妊産婦等の保護
10-4年少者の深夜業の禁止と例外第61条
① 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
② 厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。
③ 交替制によつて労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。
④ 前3項の規定は、第33条第1項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第一第六号、第七号若しくは第十三号に掲げる事業若しくは電話交換の業務については、適用しない。
⑤ 第1項及び第2項の時刻は、第56条第2項の規定によつて使用する児童については、第1項の時刻は、午後8時及び午前5時とし、第2項の時刻は、午後9時及び午前6時とする。
ポテ交替制の工場なら、17歳の子は男女どっちでも夜勤OKですよね?
ロウ先生許可なしで深夜に使えるのは、交替制で使う満16歳以上の男性だけです。
ポテじゃあ17歳の女性社員は?
ロウ先生交替制で動かしている事業なら、署長の許可を受けて午後10時30分まで働かせられます。
ポテなるほど!夜のおまけは30分だけ、ちょっぴりサービスなんですね!
夜に働くことは、睡眠や生活リズム、通学に大きく響きます。そこで61条は、18歳未満の人を夜の時間帯に使うことを原則として禁じています。
禁止される時間帯
| だれか | 原則の禁止時間帯 | 大臣が地域・期間を限って変えた場合 |
|---|---|---|
| 許可を受けて使う児童(15歳年度末まで) | 午後8時〜午前5時 | 午後9時〜午前6時 |
| それ以外の18歳未満 | 午後10時〜午前5時 | 午後11時〜午前6時 |
児童については、演劇の事業で子役が演技をする業務に限り、当分の間、午後9時まで働かせることができる指定がされています〔平成16年厚労告407号〕。一方、児童以外の年少者を「午後11時から」とする大臣の指定は、これまで行われたことがありません。
深夜でも働かせられるケース
- 交替制で使う16歳以上の男性(1項ただし書)。署長の許可はいりません。
- 交替制で動かしている事業(3項)。署長の許可を受ければ、午後10時30分まで(大臣が時刻を変えた場合は午前5時30分から)働かせられます。
- 災害などによる臨時の必要(33条1項)で、時間外・休日労働が夜にかかる場合(4項)。
- 農林業・畜産業・水産業(別表第1第6号・第7号)の事業(4項)。
- 病院・保健衛生の事業(別表第1第13号)(4項)。
- 電話交換の業務(4項)。
具体例で考える
製造業のE社は、早番(5時〜13時45分)と遅番(13時45分〜22時30分)の二交替で工場を回しています。17歳の男性社員Fさんを交替制で遅番に入れるのは、1の例外として許可なしで可能です。同じく17歳の女性社員Gさんは1の対象外です。ただしE社は交替制の事業なので、署長の許可を受ければ、Gさんを午後10時30分まで働かせられます(2)。8時間勤務に45分の休憩を挟むと、30分の延長で二交替の枠が深夜を避けて組めるため、この仕組みがつくられました。
ポイント1は「その人を交替制で使っているか」を見ます。事業全体が交替制でなくても構いません。2は「事業として交替制をとっているか」を見ます。こちらは全員が交替制でなくても該当します。
行政解釈
- 〔昭和23年基発971号〕「交替制」とは、決まった日ごとに昼の勤務と夜の勤務を入れ替わって担う働き方をいいます。
- 〔昭和63年基発150号・婦発47号〕電話交換の例外は、電話を本業とする会社に限られません。鉄道・鉱山・新聞社などで電話交換をする年少者にも及びます。
ひっかけ注意1の例外は「満16歳以上の男性」だけです。女性や16歳未満は含みません。また、公務による臨時の必要(33条3項)や41条該当者は4項に入っていません。時間外・休日労働はできても、深夜業はさせられません。
暗記児童「8時→5時」、年少者「10時→5時」。大臣が動かすと1時間後ろへ(9時→6時、11時→6時)。交替制の事業で許可なら「10時半」「5時半」。
覚え方「ハチゴーは児童、ジューゴーはそれ以外。大臣が押せば1時間うしろへ」……許可で使う児童の深夜業禁止は午後8時〜午前5時、それ以外の18歳未満は午後10時〜午前5時(61条1項・5項)。厚生労働大臣が地域・期間を限って変えると、児童は午後9時〜午前6時、それ以外は午後11時〜午前6時(2項・5項)。交替制の事業で署長の許可があれば午後10時30分まで、または午前5時30分から(3項)。
- 原則:午後8時〜午前5時は禁止
- 大臣が地域・期間を限って変えると:午後9時〜午前6時
- 原則:午後10時〜午前5時は禁止
- 大臣が地域・期間を限って変えると:午後11時〜午前6時
- 交替制の事業+署長の許可:午後10時30分まで/午前5時30分から
- 交替制で使う満16歳以上の男性は除く

ロウ先生ハチゴーとジューゴー、と覚えましょう。