労働基準法 ・ 第10章 年少者と妊産婦等の保護
10-6解雇された年少者の帰郷旅費第64条
満18才に満たない者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満18才に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁の認定を受けたときは、この限りでない。
ペン社長いいこと思いついたぞ!解雇した17歳の子が「旅費をください」と言わなければ、払わなくていいんだな!
ロウ先生請求は要件ではありません。解雇の日から14日以内に帰郷するなら、使用者が必要な旅費を負担します。
ポテ本人の落ち度で解雇されたときもですか?
ロウ先生本人の責めに帰すべき事由で、しかも署長の認定を受けたときに限って負担しなくて済みます。
ポテ社長、言われなくても切符は会社持ちですよ!
地元を離れて働きに来た若い人が、職を失って帰る手段もなく見知らぬ土地に取り残される。そうした事態を防ぐのが64条です。
具体例で考える
熊本の高校を中退して大阪の飲食店J社で働いていた17歳のKさんが、店の業績悪化を理由に解雇されました。Kさんが解雇の日から14日以内に熊本の実家へ戻るなら、その交通費などはJ社が持たなければなりません。Kさんが「旅費を出してください」と言い出さなくても、J社の負担は変わりません。
負担しなくてよいとき
次の2つがそろえば、使用者は旅費を出さなくて構いません。
- 解雇の原因が、年少者本人の責めに帰すべき事由であること
- その事由について、使用者が所轄の労働基準監督署長の認定を受けていること
同じ事由で、すでに解雇予告の除外認定(20条)を受けているときは、64条のために改めて認定を受ける必要はありません(年少則10条2項)。
15条3項との比べ方
| 比べる点 | 15条3項 | 64条 |
|---|---|---|
| 対象 | 年齢を問わない | 18歳未満 |
| きっかけ | 明示された労働条件が事実と違ったため、労働者が契約を解除した | 使用者が解雇した |
| 期限 | どちらも14日以内に帰郷する場合 | |
ひっかけ注意「年少者から請求があった場合に限り負担する」は誤りです。また、本人に落ち度があるだけでは足りず、署長の認定まで受けて初めて負担が免除されます。
暗記「解雇から14日」「請求なしでも会社持ち」「本人の落ち度+署長の認定で免除」。
覚え方「いよいよ(14)帰郷、切符は会社持ち」……18歳未満の人が解雇の日から14日以内に帰郷するときは、請求がなくても使用者が必要な旅費を負担する(64条)。本人の責めに帰すべき事由による解雇で、その事由について署長の認定を受けたときだけ免除。
- 18歳未満の人を解雇し、解雇の日から14日以内に帰郷する
- 本人の請求がなくても負担する
- 本人の責めに帰すべき事由による解雇で、その事由について署長の認定を受けたときだけ
- 本人に落ち度があるだけでは足りない