労働基準法 ・ 第10章 年少者と妊産婦等の保護
10-13生理日の就業が著しく困難な女性の休暇第68条
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
ペン社長いいこと思いついたぞ!生理日の休暇は「月2日まで」と就業規則に書いておこう!
ロウ先生休暇の日数に上限を設けることはできません。決めてよいのは、有給で休める日数までです。
ポテ午前中だけ休みたいときは?
ロウ先生半日や時間単位の請求でもかまいません。会社はその範囲で働かせなければ足ります。
ポテ社長、診断書が出せないなら休ませない、というのもダメですよ!
ペン社長むむ……規則を書き直してくるぞ。
生理による痛みや体調不良で働くのがとてもつらい日に、休みを取れるようにするルールです。「生理日だから当然休み」ではなく、就業が著しく困難であることと本人の請求の2つがそろったときに、会社は働かせてはいけなくなります。
行政解釈で決まっていること
| 論点 | 結論 | 出典 |
|---|---|---|
| 取得の単位 | 1日単位に限られません。半日や時間単位の請求があれば、会社はその範囲で働かせなければ足ります。 | 〔昭和61年基発151号・婦発69号〕 |
| 日数の上限 | つらさや期間は人によって違い、一律の基準は作れません。就業規則などで日数を限ることは許されません。ただし、「有給で休めるのは月○日まで」と有給扱いの日数を決めるのは、それを超えても休暇自体は与えることがはっきりしていれば問題ありません。 | 昭和23年基発682号 昭和63年基発150号・婦発47号 |
| 賃金 | 有給か無給かは当事者が自由に決められます。 | 〔昭和63年基発150号・婦発47号〕 |
請求にあたって医師の診断書のような厳格な証明は求められていません。
具体例で考える
IT企業M社の就業規則には「生理休暇は月2日まで」とあります。社員のNさんは今月、すでに2日休みましたが、3日目もつらく午前中だけ休みたいと請求しました。
- 「月2日まで」という日数の上限そのものが許されないので、M社は3日目の請求も断れません。
- 午前中だけの請求なので、M社は午前中を休ませれば足り、午後は働いてもらってかまいません。
- M社が規則を「有給は月2日まで、それを超える分は無給で休暇を与える」と書き直すなら、適法です。
- M社がNさんに診断書の提出を求めて、出せなければ休ませない、という運用は認められません。
ひっかけ注意「就業規則で生理休暇の日数を定めることができる」は誤りです。決めてよいのは「有給とする日数」までです。また、法律上の名前は「生理休暇」ではなく、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置です。条文の言い回しで問われることもあります。
暗記「半日・時間単位も可」「日数の上限は不可(有給日数の上限は可)」「有給か無給かは自由」「診断書は不要」。罰則は第120条(30万円以下の罰金)。
覚え方「フタをしていいのは『有給の日数』だけ、休み自体はフタなし」……生理日の就業が著しく困難な女性が請求したら、その日は就業させない(68条)。半日・時間単位の請求も可。就業規則で休暇の日数を限ることはできないが、有給扱いの日数を決めるのはよい。有給か無給かは当事者が決める。診断書のような厳格な証明は求められていない。
- ○半日・時間単位で請求できる
- ×就業規則で休暇の日数に上限を設ける
- ○有給で休める日数を決める
- ○有給か無給かは当事者が決める
- ×診断書のような厳格な証明を求める

ロウ先生フタをしていいのは有給の日数だけです。