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労働基準法 ・ 第3章 雇い入れから退職まで ― 労働契約のルール

3-2契約期間の上限(原則3年・例外5年)第14条

1. 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年)を超える期間について締結してはならない。
一 専門的な知識、技術又は経験(以下この号及び第四十一条の二第一項第一号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
二 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

ポテ社労士の資格を持ってる人なら、どんな仕事でも5年契約にできるんですよね?

ロウ先生資格を持っているだけでは足りません。その専門性を使う業務に就く契約でなければ、上限は3年です。

ポテえっ、そうなの!?じゃあ間違えて4年契約にしちゃったら、契約まるごと無効?

ロウ先生契約全体が無効になるのではなく、13条の働きで期間が3年に縮められます。罰則を受けるのは使用者だけです。

ポテなるほど!特盛りを頼んでも、お店の上限サイズで出てくるってことですね!

第14条は、働く人が長い年月にわたって一つの会社に縛りつけられないようにするための条文です。期間を決めた契約は、原則として途中で辞めにくくなります。だから、その「縛り」の長さに上限をかけています。

対象は「期間の定めのある契約」だけです。正社員のような期間の定めのない契約には、そもそも上限の話は出てきません。

上限は3つの段に分かれる

契約の種類結べる期間の上限
下の2つ以外のふつうの有期契約3年
高度の専門的知識等をもつ人が、その知識を使う業務に就く契約5年
満60歳以上の人との契約5年
工事のように終わりが決まっている事業で、その終わりまでを期間とする契約(有期事業)その事業が終わるまで(年数の上限なし)

具体例で考える

「高度の専門的知識等」とは

厚生労働大臣の告示〔平成15年厚労告356号〕が範囲を決めています。主なものは次のとおりです。

グループ例
博士の学位博士の学位をもつ人
国家資格公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士、弁理士
試験の合格ITストラテジスト試験、システムアナリスト試験の合格者、アクチュアリー試験の合格者
発明・創作特許を受けた発明をした人、意匠登録されたデザインを生み出した人、品種登録された植物を育てた人
年収要件つきの技術者など農林水産・鉱工業・機械電気・土木建築の技術者、システムエンジニア、デザイナー、システムコンサルタント(いずれも年収1,075万円以上で、学歴・実務経験の条件あり)

国家資格の人は、資格を持っているだけでは足りません。その資格の名前で仕事をすることが契約上予定されていることなどが必要です。

上限を超えて結んでしまったら

たとえば一般の事務員と「4年契約」を結んだ場合、契約全体が無効になるのではありません。13条の働きで期間が3年に縮められます〔平成15年基発1022001号〕。5年が上限の人と7年で結んだ場合は5年になります。

ひっかけ注意14条違反の罰則(30万円以下の罰金)を受けるのは使用者だけです。長い契約を求めた労働者の側が罰せられることはありません〔昭和22年基発502号〕。

1年を過ぎたら辞められる特例(附則137条)

期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

平成16年1月の改正で、上限が「原則1年・例外3年」から今の「原則3年・例外5年」に延びました。縛りが長くなった分の手当てとして、当分の間の措置が置かれています。

3年契約で入社した人でも、契約の初日から1年が過ぎれば、会社に申し出るだけでいつでも退職できます。理由はいりません。

ただし、次の契約はこの特例の外です。改正前から1年を超える期間が認められていたグループだからです。

一般の人が3年契約を結んだ場合1年目2〜3年目:申し出ればいつでも退職初日から1年経過有期事業・高度専門・60歳以上の契約にはこの特例はない
附則137条の特例は、1年を超える一般の有期契約に限られる。

ポイント期間を定めた契約は、期間が来れば自然に終わるという点で使用者に便利です。その裏返しとして、労働者は期間中、やむを得ない事由がないと辞めにくくなります(民法628条)。上限規制と附則137条は、この「辞めにくさ」を和らげるための仕組みだと考えると整理しやすくなります。

暗記「さん・ご・なし」。ふつう3年、専門家と60歳以上は5年、期間限定の事業は終わるまで。

覚え方「3年は並盛り、5年はプロとシニアの特盛り、工事は完成まで食べ放題」……有期労働契約の上限は原則3年。高度の専門的知識等をもつ人がその知識を必要とする業務に就く契約と、満60歳以上の人との契約は5年。一定の事業の完了に必要な期間を定める契約は、その事業が終わるまで(14条)。5年の対象者と有期事業を除き、契約の初日から1年を過ぎれば、申し出ていつでも退職できる(附則137条)。

有期契約の上限
3年原則
5年高度の専門的知識等をその業務で使う人/満60歳以上
完了まで一定の事業の完了に必要な期間を定める契約
1年経過後申し出ていつでも退職できる(5年の対象者・有期事業を除く)
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