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労働基準法 ・ 第3章 雇い入れから退職まで ― 労働契約のルール

3-12死亡・退職時の賃金支払と金品の返還第23条

① 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
② 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

ポテ辞めた人から請求されたら、退職金も含めて7日以内に払わないといけないんですよね?

ロウ先生退職手当は、就業規則などで決めた支払時期に払えば足ります。7日以内に払うのは、通常の賃金や、積立金・保証金などの金品です。

ポテえっ、そうなの!?じゃあ7日は、辞めた日から数えるんですか?

ロウ先生権利者が請求した時から数えます。「権利者」は、退職なら本人、死亡なら相続人のことです。

ポテなるほど!「ごちそうさま」じゃなくて「お会計お願いします」から7日なんですね!

辞めた人の給料や預けたお金を、会社が「次の給料日まで」「手続が済むまで」と引き延ばすと、本人は生活に困りますし、会社に縛られ続けることにもなります。23条は、請求があれば1週間で清算を終わらせることを会社に求めるルールです。

ことばの確認

ことば意味
権利者退職の場合は労働者本人。死亡の場合はその相続人。お金を貸している一般の債権者は含まれません
労働者の権利に属する金品積立金・保証金・貯蓄金などのお金に加え、もともと労働者の持ち物である物品(寮に持ち込んだ布団など)も入ります
7日以内権利者が請求した時から数えます。死亡・退職の日からではありません

具体例で考える

運送会社のL社では、給料は「月末締め・翌月25日払い」です。ドライバーのMさんが10月15日に退職し、10月16日に「残りの給料と、入社時に預けた保証金を返してください」と請求しました。

権利者の請求7日以内賃金・積立金・保証金・私物など退職手当は別扱い就業規則などで決めた支払時期でよい
同じ「退職時に払うお金」でも、退職手当だけは7日ルールから外れる。

行政解釈

解雇予告手当も、23条の「権利に属する金品」にはあたりません。予告手当は、解雇を言い渡すときに併せて払うものだからです。

ひっかけ注意「退職者から請求があれば、退職手当も含めて7日以内に支払わなければならない」は誤りです。退職手当は就業規則等で定めた時期でよいとされています。逆に、通常の賃金や預かり金を「就業規則で定めた支払日まで待たせる」ことはできません。

ポイント7日以内の義務は「請求があった場合」に生じます。請求がなければ、退職した時点で自動的に7日のカウントが始まるわけではありません。

覚え方「なのか(7日)で清算……なのに、退職金は別ルール」……労働者の死亡・退職のときは、権利者の請求から7日以内に賃金を払い、積立金・保証金・貯蓄金など労働者の権利に属する金品を返す(23条)。争いがあっても異議のない部分は7日以内に払う。退職手当は就業規則などで定めた支払時期でよい。

死亡・退職時のお金(23条)
権利者の請求から7日以内
  • 賃金
  • 積立金・保証金・貯蓄金
  • 労働者の権利に属する金品(私物も)
  • 争いがあっても異議のない部分
7日ルールの外
  • 退職手当(就業規則などで定めた支払時期でよい)

ポテ「お会計お願いします」から7日!

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