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労働基準法 ・ 第8章 時間の規制がかからない人 ― 適用除外と高度プロフェッショナル

8-1管理監督者・監視断続的労働などの適用除外第41条

この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

ポテうちの店長、「管理職だから残業代も深夜手当も年休もなし」って言われてるんです。

ロウ先生管理監督者に当たるかは、肩書きではなく、権限・勤務の仕方・待遇の実態で判断します。それに本当の管理監督者でも、深夜業と年休の規定は外れません。

ポテえっ、本物の管理監督者でも深夜手当はつくんだ!

ロウ先生41条で外れるのは、労働時間・休憩・休日の3つだけです。

ポテなるほど!「店長」って書いたエプロンを着ても、仕事の中身が同じなら扱いも同じってことか!

労基則第23条 使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第10号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第32条の規定にかかわらず、使用することができる。

1日8時間・週1日の休日といった枠をはめると、かえって不自然になる働き方があります。そうした人をあらかじめ枠の外に出しておくのが41条です。

外れるのは「労働時間・休憩・休日」の3つの規定だけです。深夜業の規定と年次有給休暇の規定はそのまま適用されます。したがって、深夜の割増賃金も年休も、41条の人に必要です。

4つのグループと許可の要否

グループ外れる理由署長の許可
農業・畜産・養蚕・水産業天候や季節など自然に左右される不要
管理監督者・機密事務の担当者経営側と一体で、時間の枠を超えて動く必要がある不要
監視・断続的労働労働の密度が低い必要
宿直・日直(断続的業務)ほとんど作業がない待機的な勤務必要

暗記「業種」と「立場」で外れる人は許可なし。「仕事の中身」で外れる人(監視・断続、宿日直)は許可あり。許可は濫用を防ぐための歯止めです。

覚え方「宿直は“週イチ”、日直は“月イチ”、手当は“3分のイチ”以上」……宿日直の許可基準は、宿直が週1回・日直が月1回を超えないこと、宿日直手当が同種の労働者の1人1日平均額の3分の1以上であること。ほとんど労働する必要のない勤務であること、宿直には相当の睡眠設備があることも必要。

宿日直の許可基準
週1回まで宿直の回数
月1回まで日直の回数
3分の1以上宿日直手当(同種の労働者の1人1日平均額の)

ポテ週イチ・月イチ・3分のイチ!

ひっかけ注意林業は1号から除かれています。林業の労働者には労働時間・休憩・休日の規定が適用されます。

管理監督者 ― 肩書きではなく実態で決まる

具体例で考えます。D社は全国に40店舗を持つ外食チェーンです。店長の田中さんは「管理職だから残業代は出ない」と言われています。

しかし田中さんは、アルバイトの採用も解雇もできません。シフトは本部が組みます。人手が足りない日は自分が穴を埋め、月の労働時間は280時間を超えています。年収を時間単価に直すと、店のアルバイトより低い額でした。この場合、田中さんは管理監督者に当たらない可能性が高いといえます。

行政解釈は次のように考え方を示しています〔昭和63年基発150号〕。

店長の判断で見る3つの観点

チェーン店の店長については、管理監督者性を否定する方向に働く事情が整理されています〔平成20年基発0909001号〕。

観点否定する方向に働く事情重さ
職務内容・責任と権限アルバイト等の採用(人選だけの場合を含む)や解雇に実質的な権限がない重要
部下の人事考課、勤務割表の作成、残業命令に実質的な権限がない重要
勤務態様遅刻・早退で減給や低い評価など不利益な扱いを受ける重要
店に常駐し欠員を埋めるなどで時間の裁量がほとんどない/マニュアルどおりの部下と同じ仕事が大半補強
賃金等の待遇基本給・役職手当の優遇が、割増賃金がなくなることを考えると不十分補強
年間の賃金総額が一般の社員と同じ程度以下補強
長時間労働の結果、時間単価が店のアルバイト等に届かない(最低賃金を下回れば極めて重要)重要

機密の事務を取り扱う者

社長秘書のように、仕事が経営者や管理監督者の活動と切り離せず、時間で厳しく管理することになじまない人を指します〔昭和22年発基17号〕。

監視・断続的労働 ― 許可が下りる仕事、下りない仕事

監視労働は一定の場所で見張るのが主な仕事で、体や心の負担が小さいものです。断続的労働は、作業が間欠的で手待ちの時間が多いものをいいます。行政解釈で示された例を並べます。

許可の対象にならない許可の対象になる
交通関係の監視や、車両を誘導する駐車場の監視など、精神的な緊張が強い仕事修繕係など、普段は暇で事故に備えて待機している人
プラントの計器類をいつも見ていなければならない仕事寄宿舎のまかない係で、作業と手待ちがおおむね半々の人(実働8時間以内に限る)
危険・有害な場所での仕事1日の交通量が10往復程度の鉄道踏切番
特に危険な業務、新聞配達、常備消防職員、タクシー運転者社長など役員を乗せる専属ドライバー(昭和23年基収2483号)

表の出典は、役員専属運転者を除き〔昭和63年基発150号〕などです。また、1日のうちに断続的な仕事と普通の仕事が混ざる、あるいは日によって両者が入れ替わるような働き方は、断続的労働として扱われません〔同〕。

宿直・日直

本来の仕事とは別に、夜間や休日に電話番や巡回のため待機する勤務です。署長の許可を受ければ、労働時間・休憩・休日の規定が外れます〔昭和23年基発33号〕。ただし就業規則の作成義務(89条)は残るので、宿日直の始業・終業時刻は定めておきます。

許可の基準は次のとおりです〔昭和63年基発150号〕。

  1. ほとんど労働する必要のない勤務であること。通常の仕事をそのまま続けるようなものは許可されません。
  2. 宿日直手当が、同じ種類の労働者に払われる賃金(割増賃金の基礎となる賃金)の1人1日平均額の3分の1以上であること。
  3. 回数は、宿直が週1回、日直が月1回を超えないこと。
  4. 宿直には、相当の睡眠設備があること。

ポイント例えば同種の労働者の1日平均賃金が15,000円なら、宿日直手当は5,000円以上が目安です。数字で一度計算しておくと「3分の1」が記憶に残ります。

試験ではこう問われる

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